服の寄付が現地産業の発展を妨げている!?

Uncategorized

たまたま目にした記事で気になったのは、先進国の人が寄付している古着が実はアフリカなどのアパレル産業発展の障害になっているという話題です。記事によると、私たちが寄付した古着は現地で数十円という激安で販売されていて、現地のアパレルメーカーが商品を売ろうとしても古着に太刀打ちできず商売にならないということでした。
確かにそういうこともあるかもしれず、安易に寄付が正義と考えてしまうのは問題があるのかもしれません。ただ、一方で、現地の方々の経済状況がある程度豊かになりつつあるのであれば、いくら激安の古着がもらえるといっても、それとは別に服を購入したいという意欲は出てくるのではないでしょうか。さらに、まったく服を買う余裕のない状況にある方にとっては、やはりこうした寄付が役立っている側面はあるのではないか、などとも思います。
この記事で、すぐに古着の寄付はダメだということでなく、活用の仕方や流通のさせ方を改善させることを考えるべきではないかと思います。たとえば、寄付された古着の販売が現地のアパレル分野のスタートアップ企業のにもお金が落ちるような仕組みがつくれれば、長期的なメリットを生み出すことも不可能ではないのではないでしょうか。そこは古着の寄付を進めている企業さんNGOさんにぜひ現状を確認していただきたいと思います。

先進国で膨大な服余りを生じさせるフォストファッションも問題ありかもしれません。安くいろいろな服が変えるのは大きな喜びである、そこを追求するのであれば、効率的に使い終わった服をリサイクルできる技術や仕組みをもったビジネスモデルにしていくべきでしょう。そうすると、繊維メーカーや綿花農家などの売り上げが確保できないなどの軋みがあるのかもしれませんが、それも含めて良い方向に変えていく方法はあると思います。
記事にはもっと長く使える高価な製品を作るべきとありますが、これをファストファッションのメーカーに求めるのは無理でしょう。そもそも高価だった服を技術革新によってここまで安く提供できるようになったというのが現在の流れなのですから、これまでとパッと見で価値を認識できない商品に数万円出すのは難しいですし、気分やその時の状況によっていろいろな服を買いたい欲求もあります。個人個人のレベルでいえば、私自身40歳を過ぎると、あえて服を買う頻度や重要性は落ちていますが、若い人に服を楽しみたい気持ちを抑えろといえるはずはありません。今の世の中にファストファッションは必然性をもって存在しています。

タイトルとURLをコピーしました